開業を目指した一番の理由は、自分自身が妊娠出産をした際、「助けを最も求めている時に助けてくれる人が少ない」と切に感じたことです。
同じ思いを抱えているお母さんたちの助けになろう!
そんな思いを心の中で温め続け、我が子たちが成長した今、開業を決心しました。
産後は幸せいっぱい。そんなイメージがありませんか? 待望の赤ちゃんと出会えた幸せはもちろんあるものの、出産のダメージがまだまだ残る上に、寝る間もない2~3時間おきの頻回授乳でお母さんの体は疲労困憊。ホルモンの変化により心も不安定になり、まさに満身創痍の状態なのです。
おっぱいやミルクはどのくらいあげればいいのだろう?
体重は増えているのだろうか?
うんちがなかなか出ないけど大丈夫かな?
ゲップを上手にさせてあげられない…
など、赤ちゃんを育てていく上での悩みは尽きません。
特に初めての子の時は疑問や不安が次々と湧いてきます。助産師として病院でたくさんの赤ちゃんのお世話をしてきた私でさえも、小さい赤ちゃんと24時間片時も離れられない生活は辛くて不安でした。
もちろん、可愛い!愛おしい!と思える瞬間はたくさんあります。それでも「辛い」が本音で、「子育てを楽しんでね」という言葉を素直に受け入れられない自分がいました。
疑問や不安を一体誰に相談したらいいのか、悩んでおられませんか。同じように悩み、辛い思いをした私だからこそ、助産師という立場でお母さんたちに寄り添いたい。心穏やかに産後を過ごす一助となりたいと思っています。
また、私は1年半前に子宮頚がんを患いました。幸い初期でしたが子宮を失うことになり、絶望と深い悲しみを味わいました。しかし同時に、周囲に支えられて生きていることも強く実感しました。
まだ思い出すだけで胸が痛みますし、再発の不安もあります。ただ、この経験は私の女性として、母として、助産師としての考え方の幅を広げてくれたことは確かであり、「寄り添う」力を強くしてくれたように感じています。
これからも勉強を重ねながら、気軽に訪れてほっとできる助産院づくりに力を注いでいきます。
お母さんと赤ちゃんの今が、未来が、明るく幸せに満ちたものになるよう、寄り添いながら精一杯お手伝いします。